生母による虐待、いじめ、未亡人、交通事故、リストラ、いろいろあって、今は主婦作家を目指す、アラフィーです。


by chiyoko1960

成績よりも大事なもの

先日、ファミリーサポートの最中に、娘を幼稚園に迎えに行った。一歳半の女の子を連れて。庭で待っている母親を見て、いつも嬉しそうに手を振る甘えん坊の娘だが、この日は小さい子に気づいて、いつもと違うお姉さん顔で手を振った。

すぐに甘えたい気持ちを抑えて、これから小さい子供の面倒を見るんだ、という気合が十分である。娘なりに気を使って、ひざをかがめ腰を曲げて、小さい子の高さに合わせて手をつないで歩いている。家ではお姫様のような彼女がねえ、とわが子ながら感心している私。

一人っ子には貴重な経験である。その点兄弟が多い子供は、上も下も日常的に我慢を学ぶことが自然にできる。

『お兄ちゃん、赤ちゃんとお留守番しててね』
『今日はおにいちゃんの懇談会だから、遊べないよ』
という具合だ。

さて、私が働いていた塾の社長令嬢は、二人の弟がいるおねえさん。彼女は小学生のころから、夕食後の皿洗いを毎日やらされていた。塾長でもある父親の方針だ。ある日これが反抗する。

学校のテストの前の晩に、こんなことやらされてるの私ぐらいだよ!』

だが父親は容赦しなかった。人生には成績よりも大事なものがたくさんある。そういって続けさせたそうだ。

その彼女が航空会社の面接試験を受ける日の朝。駅で乗客の一人が貧血かなんかで目の前で倒れた。彼女はあわててそばに行ったが、忙しい朝のこと、誰も手助けをしようとしない。彼女は仕方なく駅員を呼び、救急車に乗るところまで付き添った。

もちろん面接試験には遅刻した。それで、JALは不合格になったが、ノースウエストは、そういうエピソードが逆に功を奏して合格した。さすが時間にうるさいJAL。その後この会社がどういう不祥事を起こしたかは周知の事実だ。


昨年の幼稚園の卒園式で、在園児たちはこんな言葉(細かいところは違うけど)でお兄さんお姉さんを送った。

出かけるときには、手をつないで、僕たち私たちを内側にして、一緒に歩いてくれました

内側にして。自分より小さい子を自動車から守るための配慮である。涙が出た。そして今は、娘たちがその立場である。


成績よりも大事なもの。あの塾長は本当に、いい父親だったなあ。その分経営が下手で、私はリストラされましたけどね。



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by chiyoko1960 | 2006-05-16 12:04 | 教育